絶望的だった三連休の天気予報。山の天気は行ってみなければ分からないと上高地から涸沢へ入山。一気に北穂高小屋まで上がってみると着いた頃から雨模様。それでも日没前に一瞬雲が切れて稜線が姿を見せました。

翌朝、霧雨が一旦上がると、大キレットや奥穂高方面へ向かう人たちが続々と出発していきましたが、天気予報では2時間以内に大きな雨雲が稜線を覆う予報。お客様と相談の上、北穂高小屋に停滞を選択しました。

雨脚が強まる中、昼ごろから続々と小屋に上がってくる人が到着します。涸沢から、奥穂から、そして大キレットから。皆ずぶ濡れで寒さに震えています。槍ヶ岳山荘から大キレットを越えてきたという女性グループは、南岳から下ったあたりで青空が見えたので喜んだのも束の間、あとは霧の中濡れながら必死に難所を越えてきたそうです。周りが何も見えなかったので高度感が感じられずかえって怖くなかったそうです。70代の男性単独でやはり大キレットを越えてきた方もいらして、朝から停滞を決め込んでウダウダしていた身としては、ただただ皆さんの行動力に感心してしまいました。

そんな中、あるグループが自分たちと同じ頃に南岳を出発した6名のグループの到着が遅い、と心配され始めました。話によると大キレットに入ってすでに6時間半が経過してました。たまたま長野県の夏山パトロール常駐隊2名も上がってきていて、いざとなればレスキュー体制はあるな、自分も何かお役に立てることはあるか、かと思っていると、ようやくその6名が到着。年配の男女とガイド役の男性が一名。小屋前で抱き合って無事の到着を喜んでいました。中には力尽きて座り込んでしまう高齢の女性もいましたが、小屋の中から窓越しに6名の無事の到着を見て、皆も安堵しました。6名はとくに具合が悪くなった方もいない様子で、夕食時には賑やかな談笑に包まれていました。

翌朝、朝食後小屋を出発すると南峰あたりで青空が見えはじめ、奥穂高方面の稜線が雲のうえに浮かび上がりました。この日の天気予報は、標高の高いところでは晴れ、ということだったのですが、まったくその通りで、眼下は厚い雲に覆われて、自分たちがいるところだけぽっかりと晴れているような状態でした。
久しぶりの岩稜ルートだというお客様をフォローしながら北穂高から涸沢岳、奥穂高と歩き、吊尾根から重太郎新道、岳沢から上高地へ一気に下りました。途中、北穂高小屋から同じルートを歩いているソロ70歳の男性と立ち話。雨の中大キレットも超えてきたというその健脚ぶりに驚きました。けっきょく最終日は雨に降られることもなく、景色もそれなりに楽しみながら歩き通すことができました。

今回は、現場での天候判断が結果的に上手くいき、まる1日の停滞はあったものの、予定していたコースをほぼ歩くことができました。またポイントポイントで上手く晴れてくれたので、撮影も楽しむことが出来ました。天気予報の何をポイントにしするか難しいですが、今回は「高層では晴れ」というところでした。稜線にいれば晴れ間があると読んだのですが、その通りでした。