この夏のフィンランド取材が記事になりました。
日本航空機内誌『アゴラ』11月号に掲載中です。
テーマは「ノルディックウォーキング」。もともとノルディックスキーのトレーニングとして行われていたエクササイズが、そのフィットネス効果が注目されて1990年代に独立したスポーツとして確立されました。

歩行方法は、ポールを後ろに突き推進力を得ながら大股で踵からの着地で歩きます。登山とは歩き方も違い、ポールも我々が登山で使うストックとは、厳密には構造も使用法も違います。基本的に整備されたコース(冬季にノルディックスキーのコースとなる場所が基本)や公園で行われるスポーツです。

湖水地方で取材しましたが、湖を巡る赤松の森の中を静かに歩きまわりながら、リフレッシュしてきました。
しかし、今回のフィンランド取材で感じた事は、日本の自然の多様さ、森林の美しさでした。

フィンランドは大阪府と同じくらいの人口を持つ国で、国土の面積は日本の9割程度です。国土に占める森林の割合は、日本よりほんの少し多く70%。日本は68%と言われています。日本が「里山」という緩衝地帯をもつのに対して、フィンランドでは人々が暮らす場所が、森に接しているかその中にあります。フィンランド人が森を愛し、森を背景に生きている、と言われるのは、おそらくそうした環境にあるからでしょう。

日本のような自然と森の多様性は、フィンランドにはありません。現代の日本人の多くは、日本の国土の持つ豊かさ、多様性に無自覚に生きて死んでいくのかもしれません。人が生きていくとき、どんなに都会に暮らし、どんなに人工物に囲まれていても、物質的にも精神的にも、背景としての自然から無縁でいる事は出来ないのではないでしょうか。
今年は雲ノ平山荘のオーナー、伊藤二朗の言葉が山関係者の間で話題になりました。
YAMAPにその議論の一部が掲載されています。

この中で伊藤氏は「“自然が必要”というフィーリングが大切」と語っています。
「自分たちの生きていく世界には自然が必要だということを、生活の場で実践していく必要があると思います。
それ自体は経済活動にはならないけど、人間が生きていく上で必要なものを守っていこうという単純な話です」とも。

ガイドは山に登ることを案内するだけでなく、「インタープリター」であるべきだ、伊藤氏とはそんな話をした事もあります。
YAMAP
「山小屋と国立公園の問題の根底にある、日本社会の“自然”との向き合い方 - 雲ノ平山荘オーナー・伊藤二朗さんインタビュー」
https://note.yamap.com/n/n6152f937b063
是非ご一読を。