癒し系の沢として人気の赤木沢は、北ノ俣岳と雲ノ平のちょうど間にある沢です。標高2622mの赤木岳あたりに源を発し、黒部川奥ノ廊下までの約2kmほどの渓流です。最も近い山小屋は薬師沢小屋で、通常は薬師沢小屋前から入渓し、黒部川の河原を赤木沢出合まで遡行し赤木沢に入渓します。出合には通称「ナイアガラの滝」と呼ばれる美しい滝があります。

赤木沢は右岸を少し高巻きする滝壺を持つ美しい幾つかの滝の他はなめ滝が多く、ほとんどの滝を直登できます。後半にある赤木沢大滝のみ左岸の急斜面を大きく高巻きします。

登攀的な要素が少なく、初心者の方でも楽しめる沢ですが、一旦入渓するとエスケープルートがほとんどなく、また携帯も通じない北アルプス最奥部で、安易な入山は避けるべきエリアです。

実際、数年前には、薬師沢を朝出発したパーティーが、赤木沢入渓直後に大増水で退路を断たれ、遭難したケースがあります。この時は出発時は青空が見える好天だったそうで、出合から遡行を初めて30分もしないうちに瞬く間に濁流が沢を覆い尽くしたそうです。
赤木沢のある山域は、北アルプスの西の端にあり、西側からの雨雲が稜線に当たって雨が降りやすい地域です。急な降雨による短時間での増水に留意しなければなりません。

基本的な沢装備をご準備いただき、初級の沢歩きの経験があれば参加していただけますが、詰めあげてからの稜線の登山道歩きがあるので、ある程度の体力は必要です。

<標準的な赤木沢2泊3日ガイドコース>
1日目:午前中に折立登山口集合→太郎平小屋→薬師沢小屋 8時間行動
2日目:薬師沢小屋から入渓→赤木沢出合→中俣乗越→太郎平小屋 9〜10時間行動
3日目:太郎平小屋→折立登山口 4時間行動
*2日目の天候が悪い場合、3日目に薬師沢から赤木沢を遡行し太郎平小屋経て折立登山口まで下山します。

<他の沢を組み合わせた山中3泊4日ガイドコース>
1日目:午前中に折立登山口集合→太郎平小屋→薬師沢小屋 8時間行動
2日目:薬師沢小屋から入渓→赤木沢出合→中俣乗越→黒部五郎小舎 10〜11時間行動
3日目:黒部五郎小舎→五郎沢→祖父平→祖父沢→雲ノ平 7〜8時間行動
4日目:雲ノ平山荘→薬師沢→太郎平小屋(解散)(太郎平〜折立は下山で3時間半)

最終日、折立登山口から富山駅行きの最終バスは12時40分です。雲ノ平山荘を午前4時に出発すれば、最終バスに間に合いますが、解散は太郎平小屋としますので、太郎平に一泊してからの下山をお勧めいたします。
黒部川赤木沢出合 通称「ナイアガラの滝」